息子の学校は小学校のなかにあるので、お昼をもって来ていない人は、カフェテリアで食べる事ができます。
これがちょっぴりあこがれだった息子。最近は私が昼食を作るのが面倒な事もアリ(はは・・)、迎えにいってそこで一緒に食べて帰ってきます。
アメリカの学校ではどんなものを食べているのかしら・・・?
最初の日・・・
「ハム&チーズのサンドイッチ、ポテトフライ、サラダ、フルーツ、ミルク」
んー、こんなもんかな。ランチは。楽しみ~。
ところが、行ってみて「・・・・・・。」
トレーに乗っているのは「ハム&チーズ、ポテトフライ(冷凍物)」だけ。
あとは、カフェテリア式で勝手に子供たちが取り分けるようになっていました。
サラダといっても、レタスときゅうり。
フルーツとは?缶を開けただけであろう「ピーチ」。
そして、かたい洋ナシが山積みに・・・。
ミルクは、小さいパックで「チョコレートミルク、ミルク、イチゴミルク」を自分で選択。
次の日・・・
「ハンバーガー、チップス(お菓子)、セロリ、クッキー、サラダ、フルーツ」
チップス?クッキー?それ・・・ランチか?
セロリとは・・・まさにそのままのセロリスティック。サラダとは・・・ベビーキャロット(小指ぐらいの大きさの生にんじんのスティック)、生ブロッコリ(アメリカではブロッコリ、カリフラワー、マッシュルームなどを生でサラダに結構いれます)。
フルーツとは・・・またまた缶を開けただけであろうパイナップル。
こんなのが毎日。
ふと見ると・・・・子供たち、ほとんど野菜なんてとってないじゃーん!!
ハンバーガーをかじり、チップスを開け、クッキーとチョコレートミルク。
これでいいのか、学校食・・・。
私は、栄養士としてなんだか軽く見過ごせないものがありました。
そういうえば・・・日本でもかなり「給食は自分で選ぶ時代」という動きがあり、しかし子供たちが果たしてちゃんと必要な栄養素を自分で摂取できるのか・・?などという議論があったものです。
子供たち・・・見事に好きなものだけをとっていました。ここはいくら「自由の国」と歌っていてもちょっとなあ・・・。と、ひとりでまわりのランチを食べている子供たちをキョロキョロ見回す怪しいアジア人の私(笑)。うーむ。
でも、気持ちは分からないでもありません。こんな生野菜を私だってバリバリ毎日同じようにたべられない!野菜=サラダなんて・・。飽きてしまいますよね。
フルーツだって、いつも缶ものや、リンゴやナシが山積みになっているだけではちょっと・・。
今思えば、日本の給食は素晴らしい!なんといってもおいしい。
私はその昔、小学校で3週間だけ実習に行きましたが、すごいです、調理場。
・・・・戦いの場?みたいな(ホント!)かなりハードな「クッキング」です。
山積みになった野菜を切るのも、「魔女ナベ」を「大しゃもじ」でかき回すのもかなりの労働です。そして、なんといってもメニューは・・・・残量も計り、グラフを作り、時にはMEETINGも開き、かなりの研究を重ねます。子供たちが、よりたくさん食べてくれるように。
確か、実習では私はアンケートを作りました。子供たちがどんな野菜が嫌いなのか、どんなメニューが人気があり、何が好かれていないのか。なぜか。それをMEETINGで発表し、メニューの改善につなげていくわけです。
余談ですが、「先割れスプーン」よりもお箸を使うべきか・・?だけでも話し合いになるほど。
これが日本の給食の舞台裏です。
だから・・・・
子供たちがトレーに「ハンバーガー、クッキー、チップス・・・」などを毎日乗せていくのを見ると、なんだか「・・・・・」と思ってしまうわけです。
「君達が大きくて体格がいいのは・・・・DNAだね。こりゃ。」と思いました。
見た目は日本人よりも大きくて立派でも、こんな食生活を小さいときからずーっとしていたら、成人病になること間違いナシです。かわいそうに。
息子に「日本の給食はね、色々なのが出ておいしいんだよ。スープとか、カレーとかもあるし、デザートもあるんだよ。」と私。「食べてみたいなあ~」と息子。
主人も先日一緒に行ってびっくり。スペインの給食もとてもおいしいらしい。そう、向こうの人は、「昼食」をとても大切にしているそうです。魚介類も多いし。
まあ・・・しょうがないか・・・と思って今日も食べていたのですが、いつもチョコレートミルクを選択していた息子が「ママ、今日はイチゴミルクを飲んでみたい」というので、そちらをGET.
「イチゴミルクか・・・懐かしいなあ・・・」とパックをあけてびっくり!
イチゴミルクがショッキングピンクだああああ~!(まさにショッキングなピンク・・・笑)
あのちょっぴりピンク色でやさしい味のイチゴミルクを想像していた私は面食らってしまいました。息子も、さすがにその色を見たら「・・・・いらない・・・」と言っていました。
私が現場から離れて、もうかなりの年数がたっているので今の日本の給食がどうなっているのかは分かりません。でも、友達の話によると、種類もかなり増えているとか。でも多少栄養士さんによって、傾向も違うようで、渋い(?)栄養士さんは「ひじき」や「煮物」などもよく出すようで、一方若い栄養士さんは「スパゲッティー」「ハンバーグ」と言ったようなお決まりの子供が好むものに偏るとか。どちらにしろ・・・少なくとも「クッキング」されています。手をかけて。
とにかく・・・
日本ほど「食」を大切にし「健康」に対して意識の高い国は珍しいかもしれません。
あんなに「健康番組」が流行る事も、一般国民が「カプサイシン」や「カロチン」などという言葉を聞きなれている国もなかなかないと思います。
これは、本当に世界に誇れる日本の一面ではないでしょうか?
改めて「食」は大事だなあ・・・と思う今日このごろでした。
今度、写真をとってきますね。こっそり(?)。