危ないところでした・・・・。
それは先週末のこと・・・
娘の靴を探しに、電車に乗ってデパートへ家族へ出かけました。
お昼になったので、上のレストランでも行くか・・・とバーゲンですごい人ごみの中家族でぞろぞろと移動しました。
さすがに安売りシーズンの週末だけあって、レストランも人、人、人・・・待つこと30分、やっと席を確保しました。
さて、メニューを開くと・・・なんとも食べたいものが特にない・・。
疲れていたせいもあり、なんとなく気が乗らないまま、とりあえず魚料理を頼みました。
子供たちは主人と同じポテトにフライドエッグ、それにFOIE(ポーク?)のセットを頼みました。
ちなみに、スペインでは水はお金を払わないとでてきません。
なにしろ私たち家族は5人なので、それだけでもお金がかかる・・・。
とにかく、やっと座って食事をすることができました。
始めにパンが出てきて、バターをつけて皆でパクリ。
そして次々にお料理がでてきました。
はっきりいって、そこは安いレストランではありませんが、よいレストランというのではなく、ただデパートの上ということで、そこそこの値段ではありました。でも、となりの眺めの良いしきりのむこうでは、素敵なテーブルクロスにワイングラス・・・そして素敵なお料理が運ばれていきます。いいなあ・・とは思いつつも、うちのやんちゃ坊主のチビすけ君が、テーブルクロスをひっぱり、ワイングラスが次々に割れていく図を想像できる私としては「うちはここで十分・・・」とかなり納得(涙)。まあ・・・いつの日か・・・ね。
さて、案の定ハイチェアーに座りたくなくて立ち上がろうとするオチビちゃんを座らせるのに奮闘しながら何とか食事終了・・・。私は一体何を食べたのか・・・(涙)。
魚料理は白身魚にトマトベースのソースがかかっていて、いくつかの野菜がはいっていました。
それがなんともハズレ。この値段でこれ・・・??魚はかなり硬いし、ソースは味がない。オイルを食べているみたい・・・。子供たちの食べているポテトはオイルで泳いでいるかのようでした・・・・(涙)。
「2度と来ることはないね・・・ここ・・・」と私と主人。
それなりのお金を払うなら、やっぱり絶対おいしいと分かっているところに行った方がよいと後悔しながら退場。
再び下の階にもどり、娘の靴を探していると段々頭が痛くなってきました。
頭がキューンとして、まるで心臓がそこにあるかのようにドクンドクンと響きます。
あれ・・・疲れたかな・・・ちょっと。
そばにあった椅子で一休みすることにしました。
最近寝不足だし、暑かったからなあ・・・それにしてもなんだか変・・。
一度立ち上がろうとしたのですが、どうにもフラフラしてしまいもう少し休むことに。
そのうち、おかしな冷や汗が顔中からでてきました。
「大丈夫?」と見に来た主人、私の顔を見てびっくり!
「休んだほうがいいよ、もう少し!」
「何?顔色悪い?白い?」
「・・・・いや・・・すごい赤い・・・」
赤い?貧血かと思ったけど・・・のぼせたのかしら?
とにかくしばらく休んでいましたが、いつまでもそうしているわけにも行かないので、とりあえず急いで靴を買って帰ろうか・・ということに。私も少し落ち着いたので歩きました。
しばらくすると、また頭が痛くなり、立っていられなくなりました。
「ちょっと座るね・・」と、ふと腕を見てびっくり!!腕の半分が真っ赤になり、手のひらは赤とやけに血管が青くなっていました。
これは、変だ!
主人がお店の人に助けを求めると、デパートの中にお医者さんがいるとのこと。
そこへ急ぎました。その医務室は従業員のためのものなのですが、なにしろ私の顔や体を見たら皆さん急いで通してくれました・・。(今思えば、相当ひどかったのね・・・)
お医者さんはすぐにアレルギーのショック症状と判断。
それも結構ひどいとのこと。あとで調べたのですが、頭痛や立てなくなってしまったのは急激に血圧が下がるからなのだそうで、急がないと死にいたることもあるそうです。それに気道のあたりがふくれてしまい呼吸困難になることも多いそうで・・とにかくアレルギーを抑える注射を打たれました。
「症状がおさまるかどうか、しばらく待ってください。」
横になり、意識が遠のく私、手のひらの色を見て恐ろしくなりました。
首やおなかの辺りまでどんどん赤くなっていました。
頭も割れるように痛い・・。私はこのまま死ぬのかしら・・・。
ついさっきまで、皆で笑っていた楽しい週末だったのに・・・。
「顔も目も真っ赤だよ・・・ママ・・」
そばで隠れるようにして泣く息子。それを見て悲しくなる娘・・。
症状は一向によくなりませんでした。
「もう一本打ちましょう。これでだめなら、病院に送ります。」
祈りの気持ちでただただ時を待ちました。
しばらくして、手の色が普通に戻ってきました。
意識もはっきりしてきました。
「よかった・・・・」
本当に、本当に怖かったです。
・・実は、私は約10年前に一度アレルギー症状がでたことがありました。
そのときは、横浜のレストランで友達の頼んだエスカルゴをひとつもらったのが原因と思われました。当時一人暮らしをしていた私は、帰宅してから突然咳が止まらなくなり、涙がでて、顔も体も大きなジンマシンのようなものではれてしまいました。息もぜーぜーとしてとにかく悲惨でした。
でも、それまで一度も食物アレルギーとは関係なかったので、きっと中ったのだと思っていました。次の日職場で「あなたそれアレルギーじゃないの?死んでたかもしれないわよ!!どうして病院にいかなかったの!?」といわれて、はじめてそうなのか・・・と思ったぐらいで・・・。食中毒かと思った・・・(って、それでも病院にいったほうがよい・・・わね)。
とにかく、それ以来食べたことのないようなものはTRYしないようにしていました。
そして自分はエスカルゴにアレルギーがあるのだと思っていました。
あれから、10年・・・・いろいろなものを食べてきましたが、一度も食物アレルギーの症状がでたことはありません。てっきりエスカルゴが原因だと思っていました。でも、この日、食べていないのです、エスカルゴ。
アナフィラキシー<特定の起因物質により生じた全身性のアレルギー反応をアナフィラキシーと呼びます。重症になると血圧低下を伴うアナフィラキシーショックという危険な状態になり、死に至ることがあります。>
<アナフィラキシーは、じんましんや紅潮(皮膚が赤くなること)等の皮膚症状や、ときに呼吸困難、めまい、意識障害等の症状を伴うことがあり、血圧低下等の血液循環の異常が急激にあらわれるとショック症状を引き起こし、 ... これをアナフィラキシーショックと呼びます。 >家庭の医学より
医者に何を食べたかを話しました。
別に怪しいと思われようなものは特にありません。
いつも食べているものと、そんなに変わらないのです。
とにかく、原因がわからないのでまたショックを引き起こすと今度は危険なので、5日間水とパン、ご飯で暮らしてください、といわれました。
5日間、パンと米と水・・・だけ???
・・・・実は今日でやっと5日目なのです。
先週末からパンと水と米のみで生きているので、もうフラフラです。
でも、思い出すだけであの日のことが怖くて、まさか自分にこんなことが起きるとは思っていなくて・・・・そしてなによりも原因が分からないことがわたしを不安にさせるので、今日までなんとかがんばりました。
明日から他のものを食べていきます。
でも、正直いって・・・怖いです。
私は一体何を食べたのでしょうか・・・??
主人が先日レストランにいって、何が使われていたかを聞いてきてくれました。
でも魚も他のものも別に珍しいものはないのです。いつも食べているようなものなのです。
・・・・・・・・ふう。
日本に行ったら、専門のお医者さんのところに行って調べようと思います。
子供たちを残してもしものことがあったら・・・そう思うと、胸がしめつけられるようです。
できることはやらなくては。
余命あと何ヶ月・・・と宣告されたらどんなに悲しいのだろう・・・と思ったことがありましたが、今回のことで、数ヶ月どころか、人なんて本当に何時どこで何が起きるか分からないのだ・・と思いました。ごく普通の楽しい日でした。何事もなかった今日のように明日も終わるだろうと、きっと心の中で思ってしまっている・・・。
本当に食物アレルギーで制限がある人はかわいそうだわ・・・と人事だった私でしたが、まさか自分がこんな状態になるなど、思ってもいませんでした。今では、口に入れるものは本当に気をつけなければと思います。
子供たちには、万が一私に何かあったときにすぐにパパに電話できるように教えました。
とても怖い経験でしたが、これを機に、生活を見直そうと思います。
もっと自分の体も、大切にしなければ・・と思います。(早く寝るとか・・)
一生懸命お祈りしてくれた子供たち・・・・ありがとう。
あの時、そばにお医者さんがいなかったら・・・と思うと、怖いです。
すぐに注射を打ったから治まったのです。
そのことを感謝したいと思います。
あらためて、毎日毎日の時間はただあるのではなく、ここに生きているのは意味があるのだと思いました。だとすれば、与えられている時間を有効に過ごさなければ・・・そんなことを考えました。
子供たちには、まだまだ一緒にやりたいこと、教えたいことがいっぱいです。
この時間があることに、本当に感謝したいと思います。